甘夏みかん生産者グループ「きばる」消費地交流会
2月2日に熊本県水俣市から生産者の高橋さんと平野さんをお迎えして消費地交流会が行われました。
参加者の感想をご紹介します。
毎年楽しみにしている甘夏の季節になり、わくわくしながら手元に届くのを待っています。
小学生の頃に授業で公害や水俣病のことは教科書に出てきましたが、詳しくは習わなかったと思います。水俣病は工場から原因となる有機水銀を含んだ排水が海に流され、食物連鎖で汚染された魚や貝を食べた人や動物がかかる公害病です。伝染病ではありません。神経を侵し感覚障害を発症します。人の体は自然界にある毒には耐性がありますが、人が作り出した毒には非耐性です。汚染された魚貝類を食べた妊婦さんから胎盤を通して胎児に有機水銀が流れ、胎児性水俣病として発症する場合もあります。そのために妊娠中の人には中絶を、妊娠可能な人には妊娠を控えるようにと勧めることもあったそうです。病にかかった人やその家族は今でも病気と偏見で苦しんでいることを今回知りました。家族の結婚や就職に影響するからと損害賠償請求や水俣病の認定を受けることができない人もいます。
海の汚染されたヘドロは未処理で埋め立て、現在では埋立て地を運動公園や駐車場として利用しています。魚もドラム缶に入れて海岸に埋めているそうです。海岸は浸食されるので工事をしないとまた海に流れ出します。1度汚染された海はなかなか元に戻りません。
世の中には人の体に悪影響を及ぼすものもあるけれど、それで生活が成り立っている部分もあります。公害が広がっても工場で働き生計を立てている人もいるのでなかなか間違いを指摘することもできません。今の私達も放射能や農薬、添加物など体に悪いけれどすぐにはなくすことのできない物の中で生活しています。生産者の中にはきばるに参加する前は甘夏を病気にしないための沢山の農薬に苦しんだ方もいます。そんな矛盾だらけの中できばるの方々は「被害者自らが加害者にならない」という決意のもと安心して食べられる甘夏みかんを作ってきました。
今回の交流会で色々な苦労や思いが詰まっている甘夏が私達の元に届いているんだと実感しました。 (K.S)